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| このページでは、春陽会会員・小宮英夫さんのご紹介をいたします。(1999年8月1日・取材) | ||
永く愛着をおぼえてきたものたち、植物・昆虫・化石などの博物学的なモチーフが登場する幻視世界をずっと描いてきました。言うなれば幻想絵画ということになるのでしょうが、幻想自体は作品の目的ではありません。あえて言えば、主題を画面に定着させるための、それは「手続き」のようなものでしょうか。
日常的な生の奥にあるはずの、私にとっての現世の事象や時間の真の意味に到達したくて、あるいは日常の生活感情とは別の生の深層にひそむ情念にかたちを与えたくて、作品を描いています。そして、そのためにこそ私の拠っている「方法」が幻視世界の描写です。これは十九世紀末から今日まで、内外に多くのすぐれた先人を見出すことの出来る方法ではありますが、私の場合、シュールレアリストというよりも、どちらかと言えば象徴主義の作家に近い立場にあるのではないかと自覚しています。 ただこのようにして描き出された画面の語るものが、私にとっての、すなわち「私にとってだけの」世界の意味であり、「私にとってだけの」情念のかたちであるにとどまるとしたら、それは芸術作品として十分とは言えませんから、やはり同時代人と心の深いところで共有し合える内容を持つ作品でありたいと、つねづね思ってはいます。(小宮 英夫) |
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